ここ数日、チャールズ・アイヴズ(1874-1954)の音楽を楽しく聴いている。彼は物事にとらわれず、自分が面白いと思ったことは躊躇せず、変に整理整頓することなく作品に取り入れているものだから、しばしばそこには混沌が現出する。が、だからこそ、美しく整えられた「だけ」の音楽には到底表しきれない「真実」のようなものが生々しく描き出されている(最晩年のマーラーが米国でこのアイヴズの第3交響曲を知り、気に入ったとのことだが、なるほど、いかにもありそうなことだ)。
ピアノ・ソナタ第2番「マサチューセッツ州コンコード 1840-60年」(通称「コンコード・ソナタ」)などはベートーヴェン・イヤーにぴったりの曲だと思うが(理由はこの曲を聴けばわかるはずだ:https://www.youtube.com/watch?v=XNClpXXb7cw)、この日本では(東京はともかく)なかなか実演で触れることはできない(かく言う私も生では聴いたことはない)。誰か近場で演奏してくれないかなあ(なお、曲の途中で――ピアノ・ソナタであるにもかかわらず!――ヴィオラとフルートが出てくるが、いずれも省略可)。