サンソン・フランソワ(1924-70。今年は没後50年めに当たる)の演奏を聴くと、まさに作品と一体化したさまに驚かされるとともに魅せられる(たとえば、次のように:https://www.youtube.com/watch?v=6TM8teAy7r0)。彼のパフォーマンスはたんにショパンの作品を現実化しているだけではなく、その作品を「生きて」いる。だから、その「作品解釈」について良いだの悪いだのと言っても仕方がない。聴き手はそのパフォーマンス全体を受け入れるか否かの二者択一しかないのだ。が、好き嫌いは別として、今、このフランソワのパフォーマンスからは(演奏家であれ、聴き手であれ)学べることが少なくないのではないか。