娘の勧めで次の本を読み始めた――片山洋次郎『身体にきく――『体癖』を活かす整体術』(文春文庫、2013年)。初めに著者の基本的な考え方が示されているのだが、これがまことに素晴らしい。
著者は身体を「楽器の集合体」に喩え、その「アンサンブル」を整えることを重視する。そして、その際、各人が持つ身体の癖、「体癖」を「肯定的にとらえ、積極的に活かすというアプローチ」(同書、29頁)を取る。これは言い換えれば、「マニュアル的に、誰でも一律にこうすればよくなるというメソッドではなく、その人の体癖を活かして身体が求めている方向に調整していく。[……]ほかの誰でもないその人にとって『効く』アプローチ」(30頁)であるという。これはまるでドラッカーのマネジメント論のようではないか。
ともあれ、同書で述べられていることをこれから折に触れて試してみることにしよう。そして、凝り固まった身体(と心)をほぐすことにしたい。