コロナ禍による経済の低調ぶりは今現在もさることながら、もっとずっと先のことにも少なからぬ影響を及ぼすはずだ。西洋(芸術)音楽の世界(業界)などは、まず間違いなくそうだろう。すると、「今を何とか乗り切る」こともさることながら、「これから」のための大きな構造転換が欠かせまい。
その1つのポイントが、「もっとお金をかけずに済ませる」ことだろう。それはたんなる「コスト削減」ということではなく、現実的に維持可能な範囲内で最良のものを目指す、ということであり、音楽に関わる種々の考え方や慣行(のみならず、「生き方」)を必要に応じて大きく改める、ということだ。当然、その結果、これまでは可能だったことが叶わなくなるということがいろいろ出てこよう。が、それを嘆くよりも、「できること」をした方が遙かによいし、その中で新たなものも生まれてくるに違いない。(何度も繰り返して恐縮だが)「危機は好機なり」だ。