2020年11月18日水曜日

ご近所図書館でたまたま

  ご近所図書館でたまたま次の書がめに止まり、読んで見た――野口悠紀雄『経験なき経済危機――日本はこの試練を成長への転機になしうるか?』(ダイヤモンド社、2020年)。具体的なデータがわかりやすいかたちで示されており、現在の日本の「経済危機」の一端(とともに、改めてこれまでの政府の対応のとんちんかんさがよく)見えてくる。そして、これまだましだましで通してきたいろいろな慣習を改めないことにはどうしようもないことも。

 もちろん、それには個人のレヴェルではどうしようもないことが少なくない。が、各々が自分の持ち場でできることをする必要はあろう。私はプラグマティストなので「かくあるべし」ということ(が全くなしでは済まないとは思うが、それでもそうしたもの)をあまり振り回したくはない。それよりも、「手持ちのもので何ができるか」ということを考える。

それゆえ、「音楽」の既存の制度や慣習にはなるほどいろいろと「危機」はあると思う(し、何かしらこれを機会に壊れてしまえばよいと思うものもないではない)ものの、音楽自体に危機を感じることはない(もちろん、これは私個人の感じ方にすぎない。音楽との関わり方が違えば、現状を「危機」ととらえる人がいても当然であろうし、現在が大きな「転換期」だとは私も思う)。音楽はよき「生」にとっての一手段であり、その限りにおいて自分の暮らしの中で、そして、人や(自分が関われる範囲はごく狭いとはいえ)社会との関わりにおいて音楽を有効に活用できればそれで十分だと考えている。そして、それにはいろいろな面でイノヴェーションが必要だとも。