現代音楽の作品名で「時間(時)」や「空間」という語を含むものがどれだけあるかを調べたら面白かろう。たぶん、「現代音楽」全盛期、つまり、第二次大戦後から30年ほどの間に集中しているのではないだろうか(その前後にもあるにしても)。伝統的な音楽とは違う何かを示すのに「時間」や「空間」というのはまことにわかりやすい語だったろう(なお、少なからぬ「現代音楽」作品は「曲名」「作品自体」「作品の解説」が三位一体となっているので、この意味で作曲家自身の手になる「解説」の中にも「時間」と「空間」という語を探してみる必要がある)。
それ以外にも作品名で用いられている時代の雰囲気を表す「キャッチーな」語があるはずだが、そうしたものと作品自体が示す様式との関連、そして、変遷を調べるとさらに面白かろう。では、今現在、「現代音楽」作品でそうした「語」は何なのだろう?