中世・ルネサンスの音楽には興味はあるものの、なかなかそこまでは手が回らず、私が日頃好んで聴くのはごく限られたものに留まっている。そして、その中にはギョーム・デュファイ(1397-1474)の音楽が含まれる。学部学生時代に合唱の授業があり、そこで初めて彼の音楽に出会い、それ以来のお気に入りだ(ちなみにこの授業では他にカルロ・ジェズアルド(1566-1613)やクラウディオ・モンテヴェルディ(1567-1643)の音楽の魅力にも目(耳)を啓かれた。授業担当の今は亡きA先生にはこの点で深い楽恩を感じている)。
その授業のときに歌ったのが《めでたし、海の星Ave Maris Stella》なのだが、この曲の何とも言えない浮遊感と響きがたまらない(https://www.youtube.com/watch?v=6mcxEtyEUw4)。これは既存の聖歌(その音の並びは上の動画の最初の部分で示されている)を元にデュファイがいわば「二次創作」した曲である。その創意・工夫の何とすばらしいことか。
今日、急にこの曲が聴きたくなり、手持ちのCDを引っ張り出してくる。一聴し、自分の中でその魅力が全く色褪せていないことを確認できた。今しばらくは無理だが、そのうち、このデュファイその他の音楽をもっと深く知りたいものだ。