2024年8月9日金曜日

8月9日

  今日は89日。この日に因むいろいろなことが頭に浮かぶ。中には音楽も。

それは緩やかなテンポの弦楽合奏の曲で、初めは重々しく低音部が奏でる旋律に始まる。それを第1ヴァイオリンが奏でる無調風の悲歌が承け、他のパートが敷衍する中で音楽は次第に混沌へ向かっていく。そして、それが頂点に達したときに突然の総休止。その後、再び悲歌が今度はコントラバスとチェロで奏でられ、それがヴィオラ、第2ヴァイオリン、第1ヴァイオリンへと引き継がれていく。その中で音楽は長調(変ロ長調)へと転じ、静かな祈りの音楽となって幕を閉じる。

音の細部まではっきり浮かんだわけではないが、以上述べたような構成でぼんやりと音楽が私の頭の中で鳴り響いた。これをわざわざ譜面に起こそうとは思わない(し、もはやほとんど忘れてしまったので、どうしようもない。仮に思い起こせたとしても、あまりに陳腐な内容が恥ずかしくて書き記す気にはなれない)。今日1回限りの、あくまでも私の中だけでなされた、音楽による長崎への献花である。