2024年8月25日日曜日

95歳の現役ジャズ・プレイヤー

  今日のNHK=FMの「現代の音楽」ではチェロに電子音響が絡む作品を集めた演奏会が取り上げられていた。聴いていると、なるほどどの作品もそれぞれに美しい。が、美しすぎてことごとく途中で睡魔に襲われ、それがまた得も言われぬ甘美な感覚をもたらす。さて、この夢現の中で私が本当に聴いたのは何だったのか?

 

 その次の番組「名演奏ライブラリー」を聴こうと待ち構えていると、ラジオからは何やら違った音が……。それは「ジャパン・ジャズ・アーカイブス~貴重音源でたどる巨人の足跡~」という番組だったのだが、「朝からジャズも悪くない」と聴き始める。その「巨人」はクラリネットの北村英治氏で、本人が出演していた。

 北村氏といえば、私のような者でも名を知る名プレイヤーである。が、随分上の世代の方だったと記憶していたので、もはや本人は存命ではなく、この放送は昔々に収録されたものの再放送だと思って聴いていた。ところが、番組の話の中で「コロナ」という語が出てきたので、「まさか!」と驚く。そこで慌てて調べてみると、確かに再放送番組ではあったものの、本放送は今月の12日だったのだ。それゆえ、さらに北村氏の生年月を調べてみると、19294月! つまり、御年95歳の方が軽妙洒脱な語りを繰り広げ、しかも、番組の締めくくりには司会のジャズ・クラリネット奏者谷口英治氏と(ダブル英治!)プチ・セッションまでこなすのだ。95歳の現役ジャズ・プレイヤーというわけだ( 1年ほど前のものだが、参考動画を:https://www.youtube.com/watch?v=BJh5EjvB9Zk)。

 こういう方を目(耳?)の当たりにすると、こちらも元気になる。まだまだいろいろやれることがあるはずだと思わされる。というわけで、まことによい番組を聴かせてもらった。どうもありがとうございました。