2024年11月5日火曜日

メモ(126)

  親しい人(私の場合、たとえば妻)と会話をしていると、なぜか相手の次の言葉がかなり正確にわかるときがある。それは会話の脈絡から推察されることもあるが、そうしたものが全くなくてもピンとくることもある。脳がそれまでのデータを踏まえて瞬時に「この人ならば、こういうときにはこういう言葉を発するであろう」ということを判断するのだろうか? それとも、何か人知を越えた不思議な力が働いているのだろうか?

いずれにせよ、音楽の演奏においてもこうした洞察力が働いているに違いない。さればこそ、同じメンバーによる室内楽でも、臨機応変、当意即妙の新鮮な演奏が可能になるのだろう。逆に言えば、そうした洞察力抜きに練習でつくりあげたことをいつも同じふうに再現しようとするならば、一定してある水準の演奏ではありえても、とんでもなくすごい演奏にはなりえまい。