昨日の日曜、例によって午前中にNHK-FM「現代の音楽」を聴く。ルイージ・ノーノ(1924-90)の特集だった。その中でピアノとテープのための《苦悩に満ちながらも晴朗な波…》(1971-72)が取り上げられていた。番組の途中から聴き始めたのだが、とてもよい演奏だったので「いったい誰が弾いているんだろう?」と気になる。果たしてそれは北村朋幹の演奏だった。そこで調べてみると、この曲をリストの《巡礼の年》その他とともに収めたCDが出ているではないか。これは是非ともそのうち聴かねば(ケージの《ソナタと間奏曲》のCDも!)。
この日は「気分はノーノ」になってしまったので、その後、いくつか手持ちのディスクを聴いてみた。まず、《苦悩に満ちながらも晴朗な波…》をポリーニの演奏で。これも悪くはないのだが、私は北村の演奏の方に心惹かれる。ついで、同じポリーニが参加しているソプラノ、ピアノ、管弦楽とテープのための《力と光の並のように》(1972)を。これはあまり好きな曲ではなかったのだが、今回はなかなかに楽しめた。さらには弦楽四重奏のための《断片-静寂、ディオティーマへ》(1980)をも。だが、この最後の曲は聴き手に極度の集中力を要求するので、さすがに何曲かノーノ作品を聴いた後では辛かった。こうしたものに対しては、やはりコンディションを整えてからでないと……。
20世紀イタリアの作曲家の中でノーノは必ずしも私好みではないのだが、それでもこうして時折作品を聴いてみたくなる。