2024年11月26日火曜日

『ハノン』の面白い(?)版

  いわゆる『ハノン』教則本の面白い(恐ろしい?)版がある。それは音楽之友社から『最新ハノン・ピアノ教本』として出ているものだ(https://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail.php?id=410810)。そこでは原曲に対して数多の予備練習や派生練習が付されているのだが、これがなかなかにハードなのだ。

この『最新……』は書名に反して明らかに何昔も前の「マニアックな特訓」型の教本であり(原典の『ハノン(アノン)』はそこまでのことは要求していない)、事実、初版は1958年となっている(実のところ、これはドイツでPeters社から出ていた版(Otto Weinreich編)のリプリントなのだが、なぜかそのことが表示されていない)。今でも絶版になっていない(今日も書店にあるのを見た)となると、需要があるということなのだろうか?

 

この「マニアックな特訓」型の教本、言い換えれば、練習自体がほとんど自己目的化してしまったような教本が昔には他にもいろいろあった。それゆえ、こうしたものを題材に面白い(?)研究ができるかもしれない。興味のある方は試みられたい。