ヤマハの電子ピアノClavinovaの新機種が先頃登場したが、そのセールス動画を日本国内のものと海外のもので見比べると面白い(ここで選んだのは最高級機種ではなく、中位の機種についてのもの)。すなわち、前者では「いかにアコースティク・ピアノに近いか」に力点を置いて紹介している(https://www.youtube.com/watch?v=1x-9mxa2YiM)のに対して、後者ではむしろ「いかに多くの機能を持つ電子ピアノであるか」という点が重視されているようだ(https://www.youtube.com/watch?v=PcAPeDgPUE4)。この――おそらく、この楽器に求めているものの―――違いは面白い(ところで、後者のような動画は他にもいろいろあり、「ヤマハ」が世界的な企業’YAMAHA’であることを今更ながらに実感させられる)。
日本のピアノ製造の歴史についてはいろいろな著作がすでに出ているが、電子楽器についてはどうなのだろう(日本での電子音楽の展開についてはすでに興味深い本があるが)。「電子ピアノ」に焦点を絞って論じたら面白いものができあがるのではないか。