次にあげる2つの動画はご存じ山田耕筰の《この道》の異なるスタイルによる歌唱である。1つめはクラシックの声楽家によるものであり、もう1つは美空ひばりによるものだ:
https://www.youtube.com/watch?v=nNSrBAkvni0
https://www.youtube.com/watch?v=U_4R73y9Nw0
いずれも見事な歌唱である。が、私にとっては後者の方が日本語の自然さや美しさが勝っているように聞こえる。
クラシック音楽の歌手が日本語の歌を歌う場合、絶対の前提として「ベル・カント」(オペラに必須の唱法)があって、その中で最善を尽くしているわけだ(上記の1つめの歌唱もそうだ)が、もう少し違った道が探られてもよいのではなかろうか。すなわち、西洋の唱法を日本語の実態に合わせて多少なりとも改変し、日本ならではのハイブリッドな唱法を編み出すという道が。そして、その際には非クラシック音楽の歌手(それこそ美空ひばりのような人)たちの唱法がいろいろと参考になるはずだ。さて、これは荒唐無稽な発想だろうか?
久しぶりにオーネット・コールマン(1930-2015)の名アルバム『ジャズ来たるべきもの』 (1959)を聴いている。いや、何ともcoolだなあ。すばらしい。