2022年10月22日土曜日

メモ(87)

  同じ場にいて、同じものを目にしたり、耳にしたりしてはいても、その現れ方は人によって異なる。たとえば、そのものに深い関心を持つ人であれば細かな点にまでいろいろ気づき、あれこれ感じ、考えることだろう。他方、全く関心を持たない人であればそのものの存在にさえ気づかないかもしれない。

私たちの日常はそうした数限りない「もの・こと」で満たされている。そして、その1つひとつについて人々の間で現れ方に「ちがい」があるとすれば、その集積としてある「世界」は各人にとって「同じ」ものだといえるのだろうか?

人はそれぞれ異なる(が、いろいろなとことで接点を持ちうる)世界に生きている――はじめからこうした前提に立った上で実際に直接的に、あるいは情報として間接的に出会う他者とのつきあいや関係の取り方を考えたらどうだろう。たぶん、その方が人は心穏やかに生きられるし、(必要のある)人間関係をよりよく築けるような気がする。