ジョン・ケィジはエリック・サティを愛しており、その影響は1940年代後半から50年代はじめの作品にとりわけよく現れている(たとえば、《四季》(1947)や《弦楽四重奏曲》(1949-50)などを私は大いに好んでいる)。
そして、そうしたケィジの「サティ愛」はいわゆる「偶然性」を音楽に取り入れたのちも変わらなかった。その表れが名(迷)作《チープ・イミティション》(1969)だ(https://www.youtube.com/watch?v=D6ukoi7m2wM)。これはサティの《ソクラテス》をチャンス・オペレィションによって書き換えた曲なのだが、見事にサティの音楽とケィジの音楽が融合している。元々はピアノ独奏曲だが、管弦楽版とヴァイオリン独奏版もある。前者はまだ聴いたことがないので、是非とも実演で触れてみたいものだ(何なら、サティの 《ソクラテス》との組み合わせで!)。
国立大学(法人)の授業値上げの話を聞くたびに、「どうにかならないものか」と思わずにはいられない。くだらないことには平気で金を出すくせに教育にはけちるような国に未来はない。