2025年2月24日月曜日

メモ(141)

  たとえばリストの超絶技巧ピアノ曲でピアニストがミスをすれば、聴き手にはすぐにわかる。が、ある種の現代音楽の超絶技巧曲はそうではない。作曲者自身でさえ本当に演奏のミスがわかるのかどうか怪しまれる複雑怪奇な楽譜ものも少なくない。「こんなものを演奏家に押しつけておいて、いい気なものだなあ」と、昨日、NHK-FMの「現代の音楽」でファーニホウ作品を聴きながら思った。

 が、それはそれとして、現代音楽の超絶技巧作品の中には聴いていて「鳴り響き」を楽しめるものがあるのも確か。とはいえ、そのような効果を上げるのに、もっと演奏しやすいように書く工夫の余地はいろいろあるのではないか? そして、この視点から(も)20世紀の現代音楽の書法を批判的に検討してみれば、現在の作曲家は何かし得るところがあるのではなかろうか。