2025年2月17日月曜日

リリー・クラウスが弾くモーツァルトのピアノ協奏曲

  モーツァルトの交響曲はすべてが名作だというわけではないが、ピアノ協奏曲はハズレなしで、どの曲を聴いても面白いし、いろいろな工夫に唸らされる。

このところ楽しんでいるのはリリー・クラウス(1903-86)独奏の録音だ。彼女の表現は一見すっきりしているが、音楽のドラマを過不足なくとらえており(https://www.youtube.com/watch?v=j2FE96nvxnA)、こうしたものを聴くと昨今の少なからぬモーツァルトのピアノ協奏曲の演奏は「演出過剰」か逆に「舌足らず」かに感じられてしまう(言うまでもないが、現代にもすばらしい演奏はある。ただ、私はブレンデルの演奏も好きだが、遠山一行がそれを「マニエリスム」と評するのもわかるような気がする)。ともあれ、クラウスの躍動感溢れる演奏を午前中に聴くと、その一日がなんだかうまくいきそうな気がしてくる。ぜひ、お試しあれ。