2025年2月26日水曜日

AIで書いた小説?

  AIで書いた小説についての記事を娘が教えてくれた(https://note.com/aono_keishi/n/n7686ce6570bf)。その「小説」は「星新一賞」の最終選考に残ったとのことで、興味から一読してみた。私にとってはつまらない話だったが、これを面白く読む人もいるのかもしれない(さもなくば、最終選考にまで残らないだろう)。

 ところで、この記事の筆者はこう言う。「今までは文章力や表現力がないことで小説執筆を断念していた人も、これからはアイデアさえあれば小説を書ける時代になります」と。なるほど、「作品」を生み出すという意味ではそうなのかもしれない。が、「文章力や表現力」と「アイデア」を切り離し(そもそも、それはどこまで可能なのだろう?)、前者を機械任せにすることが、果たして「小説を書く」ことだと言えるのだろうか? 「何を」だけではなく、「いかに」ということが小説を書く上での難しさであるとともに面白さであるはずだが、それを機械任せにしてしまうとすれば、わざわざ「小説家」と名乗る人がやることではあるまい。

 もっとも、小説の「売り手」にしてみれば、それが機械の手になるものだったとしても、一定の品質を持ち、読者を得られるのならば問題はなかろう。上記リンク先の小説を読む限りではAIは未だその水準にはないように思われるが、やがて読むに値する小説を生み出せるようになるだろう。すると、ほぼ全面的にAIを駆使して「小説」を生み出す「売文業者」(私はこの語を否定的な意味にではなく、「小説家」と区別するために用いている)がどんどん出てくるかもしれない。が、私はそんな「小説」など読みたくはない。また、人でなければ書けないものがあると信じたいし、小説家にはAIに負けないだけのよりいっそうの創意工夫を期待している。