今週のNHK-FM夜のクラシック音楽番組ではマーラーの交響曲を取り上げていた。この時間帯は夕食時間にかかっているので、いつも途中から聴くこととなっていたが、それでも興味があって、私にしては珍しくも毎晩ラジオに向かっていた。
とはいえ、残念ながら、深い感動を得られるような演奏には出会えなかった(もし、そうした演奏があれば、「聴き逃し配信」を利用してはじめから聴き直すつもりだったが……)。ライヴ録音なので、聴衆の「ブラヴォー」の声も放送には含まれていたが、その感動を共有できない疎外感を毎日味わうこととなった。
だが、それは結局、演奏が悪いというよりも、ラジオをいう媒体(しかも、ヘッドフォンを用いて聴いたこと)がよくなかったのであろう。もし、私も同じ演奏会場にいたとすれば、マーラーの交響曲の圧倒的な量感に何かしら感動を覚えたに違いない。
ちなみに、私が生で聴いたことのないマーラーの交響曲はといえば、第2、第4,第7である。あとはいちおう実演に触れることができたが、演奏の良し悪しはあれこれありはしたものの、いずれも「ああ、これが聴けてよかったなあ」と思えた。それゆえ、今後、生で未聴の交響曲も是非とも聴いてみたいし、既聴のものについてもいっそう感動的な演奏に出会いたいと思っている。
なお、放送初日の月曜は第1が取り上げられていたが、聴きながら「なんだか随分軽い感じの演奏だなあ」と思っていたところ、果たしてフランスのオケによる演奏だった。なるほど、違和感を覚えたのも道理である。が、これはこれで面白かった。さて、日本のオケのマーラー演奏は諸外国の聴き手にはどのようなものに聞こえているのだろう? 自分たちの流儀とは違った面白さを何かしら見つけてくれているとよいなあ、と思う。