2025年2月18日火曜日

小学校の音楽の授業で私の心をとらえた3曲

  私の小学生時代、学校の音楽の授業で強く印象に残ったのは3曲。すなわち、ベートーヴェンのロマンス・ヘ長調、「シャシャブとグイミ」、そして、「牧人の踊り」と題された曲である(後の2曲についてはこれまでにも話題にしたことがあったかもしれない)。

最初のものについては解説を要しまい。ただ、そのどこに惹きつけられたかといえば、第2-3小節のベースの進行だ(https://www.youtube.com/watch?v=P1Ll1zvfg8E)。とりわけ第3小節で主旋律に対するベースのAEという進行にぐっと来たのである。もちろん、当時はその理屈はわからなかったが、その進行は子どもの耳をまさに「理屈抜き」にとらえたのだった。

次の「シャシャブとグイミ」はとにかく妙な曲だなと思ったし、歌詞の意味もピンとこなかった。そもそも「シャシャブ」と「グイミ」が何かについて教師の説明もなかった。自分で歌った記憶もないから、たぶん、鑑賞ということで聞かされたのだろう。だとするとそれは1回きりのことだったわけだが、それでも強烈に私の脳裏に刻み込まれたのである。その後、随分後になって調べたところ、これが高知のわらべうただとわかった(ちゃんとした音源がないのが残念:https://www.youtube.com/watch?v=KTxpabjtQ7c)。が、その編曲は何人かの作曲家が手がけており、自分が聴いたのが誰の編曲かはまだ不明。ピアノ伴奏がついていたことは覚えているのだが……(なお、この「シャシャブとグイミ」という曲の持つインパクトの大きさは、次のようなものがつくられていることからもわかる。いや、これは面白い:https://www.youtube.com/watch?v=crQVhX5Zp_M

最後の「牧人の踊り」も当時の私には摩訶不思議な音楽だったが、それだけに後々まで覚えていたのだ(これについても、教師のきちんとした説明はなかった)。そして、後年、その旋律に思わぬところで再会する。それはバルトークのピアノ曲集《子どものために》だ(面白い音源があったので、それを:https://www.youtube.com/watch?v=8nVAYbbbc04)。

 これら3曲以外にも授業中にいろいろな音楽に触れ、それなりに楽しんだり感動したりしていたはずだが、忘れがたいものとしてあげられるのはその3曲のみ。これは「少なすぎる!」と見るべきか、それとも、「3曲もあれば御の字だ」と言うべきか……(言うまでもないが、学校の外ではもっと数多くの音楽が私の心をとらえていた)。