2025年2月25日火曜日

ピアノ初級・中級者向けの教材のアイディア

  ピアノ初級・中級者向けの教材として、外国語の歌いやすい歌曲の編曲による曲集をつくればよいと思う。もちろん、安易な編曲ではなく、音楽としてきちんとしたものでありながら、決して難しすぎないものが望ましい。

その曲集を用いた練習は次のように進められる:①学習者はピアノの練習に先立って、当該歌曲を原語で歌えるようにする(曲集所収の「発音の手引き」――カタカナではなく発音記号を用いて、発音の基本原則をわかりやすく説明したもの――に従い、容易に入手できる推奨音源(つまり、名歌手の歌唱の録音)の真似を徹底的に行う)。②それができるようになってからはじめてその編曲をピアノで練習する。その際、やはりお手本の音源の歌唱法をピアノでできる限り再現するよう努める――以上である。ここで大切なのは①の段階だ。これをきちんと踏まえてこそ②が意味を持つだろう。

音楽の根源にあるのは「歌」であり、歌の根源にあるのは言語である。それゆえ、そこに遡って音楽をつくりあげる習慣を早いうちに身につけることは、ともすると「歌」や「言語」とは無縁なままにどんどん進んでいってしまうピアノ学習者にとっては有益なはずだ。