2025年3月23日日曜日

メモ(144)

  12音技法(セリー技法)、数学を用いたクセナキスの流儀、ケージの偶然性の技法など、「現代音楽」の時代に案出された種々の技法は、作曲者の音楽性、センスの良し悪しをはっきり露呈させる。それに比べれば、調性音楽における「エクリチュール」はさほど才能がない者にもそこそこのものを書かせてしまう。後者が長い歴史の中で積み重ねてきたものを思えば、当然といえば当然のことであるが。

 

 昨日話題にした高橋悠治の《クロマモルフⅡ》 は師クセナキスの《ヘルマ》よりも格段に面白い作品だと私には感じられる。が、後者を弾く人は少なからずいても、前者はそうではない。これを実演で聴ける日がくればいいなあと思う。