2020年3月8日日曜日

「フロイデ シェーネル ゲッテルフンケン」

 「フロイデ シェーネル ゲッテルフンケン トホテル アウス エリージウム」――年末になると方々で聞かれるお馴染みの歌の歌詞である。ほとんどの場合、実際にこのカタカナのように聞こえるがそれもご愛敬。日本の中でアマチュアが楽しみとして歌っているのならば全く問題あるまい。
それは般若心経の「羯諦羯諦、波羅羯諦、波羅僧羯諦、菩提薩婆訶」と同じことである。日本で普通唱えられているのはサンスクリット語原典を漢訳したものだが、その中に原典の音訳箇所が含まれており、ここにあげた「羯諦羯諦」以下もそうだ。中国語に音訳した段階で原音とはずれているはずであり、それを日本語の音で「ぎゃてい、ぎゃてい」と発音すれば、ますますずれてしまう。が、そういうものとして通用しているのだから、それを「厳密に言えば間違いだ」などと言っても仕方のないこと。