2020年10月16日金曜日

カサドシュとフランソワ

 先日、ロベール・カサドシュ(1899-72)が弾くショパンのバラード第1番の録音を聴いて驚いた。その解釈がところどころでサンソン・フランソワ(1924-70)のそれを思わせるものだったからだ(いや、これは順序が逆で、「フランソワにカサドシュと似たものが聴かれる」と言うべきなのだろうが……)。両者はおよそ異なるタイプのピアニストだが、こうなると他にもどこか音楽上の共通点や接点がないか気になってくる。とともに、各々についての聴き方もこれまでと変わってこざるをえない。面白いものである。