どの都道府県にも国公立大学(法人)が最低1つはあり、たいてい、そこには管弦楽のサークルがある。そうしたサークルがそれぞれに地元在住の作曲家に管弦楽曲を委嘱したら面白いと思う(これは別に大学のサークルでなくてもかまわない。都会ではなく地方でも可能な1つの場の例としてあげたにすぎない)。
その際、演奏しやすさの面でも好みの面でも学生たちの要望を作曲家が柔軟に取り入れていくようにすれば、アマチュア向きの演目ができあがるだろう。そして、その演奏をインターネット上で公開し、楽譜レンタルにも対応できることを示せば、作品が面白ければ(国内に限らず)自分たちでも演奏してみようと考えるアマチュアの(場合によってはプロの)楽団が出てくるかもしれない。
ともあれ、初演を行う学生は新作の誕生に関わるという貴重かつ興味深い体験ができ、作曲家は管弦楽曲を実際の音にでき、そして、聴衆も新作初演の場に立ち会うことができるわけで、とりわけ地方の大学の場合にはこれは一大イヴェントとなろう。