一月近く前に「ようやく長い夏も終わり」と題した文を綴ったが、甘かった! その後、少しは涼しくなりはしたものの、暑さはなかなか去ってくれない。私はとにかく暑いのが大の苦手なので、ほとほと困り果てている。たぶん、こうした「夏」はこれからも再来するに違いない。嫌だなあ。
私が初めてクーラーを購ったのは大阪に来て2年目の夏のこと(大震災の年である)。それまではどこで暮らそうと、扇風機だけで凌ぐことができていた(寒いのは全然平気なので、暖房も炬燵しか使っていないし、それも必ずしも必要だったわけではない)。また、また、クーラー導入後も今ほど暑くはなかったのに、その後、あれよあれよという間に夏は「地獄の季節」(ちなみに、ランボーの有名な詩集は「地獄での一季節」と訳すべきだとの意見があるが、納得である)となってしまったのである。
そして、こんな暑い季節にはいかに好きな音楽であっても、面倒になってしまった。例年ならばギターや現代音楽で何とか凌げたのに、今年はそうはいかなかった。となると、これまでとは根本的に異なる夏の過ごし方を考えないわけにはいかない。では来年は? そんな恐ろしいこと、今から考えたくもない……。
大学から借りてきたジョージ・セルの伝記を読んでいる(https://www.choeisha.com/pub/books/59323.html)。淡々と事実を記した本で刺激には欠けるものの、これはこれで面白い。もう少し涼しくなったら手持ちのCDボックスをゆっくり聴き直してみたい。