昨日マイケル・ティルソン・トーマス(1944-。以下、「MTT」)のことを話題にしたが、実のところ私は彼の熱心な聴き手ではなかった。最初に購ったディスクはLP時代のもので、ドイツ・グラモフォンの輸入盤だった。そこにアイヴズの《ニューイングランドの3つの場所》が収められており、それが目当てだったのだ(B面は同じ米国のカール・ラッグルズの《太陽を踏む者》だったが、これには当時は馴染めなかった)。そして、LPをもう1枚。それもやはりアイヴズで交響曲第2番だった。
CD時代になると、MTTのディスクは私の視界から消えた。が、これまでに3組のディスクを手に入れて聴いている。やはりいずれも米国の作曲家のもので、アイヴズの交響曲全集、ガーシュウィンの作品集、そして、ラッグルズの作品全集(といっても、たったの2枚組。彼は長生きした割にはほとんど作品を書いていないからだ)。これですべてである。それ以外の米国以外の作曲家の作品をMTTの指揮で積極的に聴こうとは思わなかったのである。
それだけに、件のCDボックスの多彩な収録曲を見て俄に興味をかき立てられたのだが、他に聴きたいものや読みたいものがいろいろあるので、これは興味だけに終わりそうだ(コープランドやガーシュウィンのディスクだけ別売りしてくれないかなあ)。