昨日は武満徹の《秋》を話題にした。彼には《冬》(1971)という曲もあるが、私はこちらの方を好む(https://www.youtube.com/watch?v=sUmlucOq1E0)。だが、これも今日ではあまり演奏されていないのではないか(録音も1種類しかない)。
よい曲ではあるが、たぶん、作曲者本人は「さて、これからどうしたものか」とあれこれ思案していたのではなかろうか。70年代の武満の作風は私には過渡期のものに聞こえる。
80年代に入ると、武満の作風は格段に「安定」してしまう。そして、その中で精緻さが求められていった。が、この時期からの武満の作品を私は好まない。とはいえ、時折、聴き直してはみる。もしかして、何か好ましいところが見つかるかもしれないから。やはり、私は武満の音楽が好きなのだ。