ブラームスの一連のピアノ小品には「間奏曲」と題された曲が少なからずある。が、「前奏曲」は1つもない。これは彼の音楽の性格をある一面で示していることかもしれない。
「間奏曲」という曲名からすれば、それは何か他のものの「間」に奏でられるものだということになるのだろうが、ブラームスの小品集はいきなり「間奏曲」から始まるものや、「間奏曲」しかないものもある。すると、彼の「間奏曲」は必ずしも音楽に対するものではなく、他の何かの「間」に収まるものなのかもしれない。
スクリャービンの後期ソナタを「塗り絵」していると、その音組織のありよう(この時期、彼は「8音音階」を重要に駆使している)がかなりよく「見える」ようになる。