2025年3月5日水曜日

好きな演奏解釈ではないものの

   今朝のNHK-FMでたまたまジャン=マルク・ルイサダ(1958-)が弾くリストのソナタを聴いた。日頃全く聴かないピアニストだけに、どう弾くかに好奇心があったのだ。嫌になったら途中でやめるつもりだったが、最後までそうはならなかった。つまり、彼の演奏は私の注意を引き続けたのである。

 とはいえ、私はルイサダの解釈に賛同するわけではない。むしろ、随所で「なぜ、ここでこう弾くかなあ」と思わされ、もやもやした気分になった(もちろん、これはあくまでも私個人の感じ方にすぎない)。にもかかわらず、「ああ、こんな解釈もあるのだなあ」と素直に思いもする。とともに、そんな私に最後まで聴かせてしまうこのピアニストの力量に感嘆させられもした。それゆえ、またいつかたまたまルイサダの演奏を聴ける機会があればいいなあと思う。

 

 先日、やはりラジオでたまたま権代敦彦(1965-)のピアノ曲《無常の鐘》(別の音源:https://www.youtube.com/watch?v=PIdCW9ci7Qs)を聴いた。以前何曲かこの作曲家の曲を聴いた際によい印象を受けなかったので、その後全く聴かずに過ごしてきたのだが、このときはなかなか面白く感じた。自分の聴き方が何かしら変わったからだろうか。ともあれ、これはうれしい驚きである。

 このように以前は嫌いだったり苦手だったりしたものが平気になることもあれば、逆に大好きだったものに嫌気がさすようになることもあろう。が、いずれにせよ、その時々の自分の感じ方を大切にしたい。そして、できれば、前者の変化が多くありますように。