2020年5月11日月曜日

ベートーヴェンは「禍転じて福と成」したのか!?

 聴覚障害が作曲家ベートーヴェンを大いに苦しめたのは間違いないだろうし、そんな中であれだけの創作を成し遂げたというのは本当に凄いことだと思う。
 が、「耳がよく聞こえない」がためにありきたりの音使いを脱することができたという面もあるのかもしれない。「禍転じて福と成す」というわけだ。後期のピアノ・ソナタに散見される当時としては破天荒な種々の書法を見ると(中には「うまくいっていない」ように感じられる箇所もないではないが……。たとえば、第31番終楽章でフーガが反行主題から次第に原型主題へと戻っていくくだりは――ローゼン先生は絶賛しているが――私にはどうにも不自然に聞こえる)、ふと、そんなことを考えさせられるとともに、この偉大な作曲家の強烈な意志の力と想像力・創造力に敬服せずにはいられない。


 今日も明るい気分になれる名曲を:https://www.youtube.com/watch?v=CTaUhlSd0Is
弟と妹が中高生時代に吹奏楽をやっていたので、当時、私も横であれこれ聴いたが、そのとき感銘を受けた曲だ(作曲者の岩河三郎(1923-2013)は合唱曲の創作に力を入れた人である。名作《巣立ちの歌》は今でも歌われているのだろうか?)。