2020年5月27日水曜日

チャールズ・エリオット・ノートン(詩学)講義

 ハーヴァード大学の「チャールズ・エリオット・ノートン(詩学)講義」は同大学で学外から招かれた芸術関係の著名人が行う講義で、音楽分野からも何人かがここに呼ばれている。ストラヴィンスキー、ヒンデミット、コープランド、カルロス・チャベス、ロジャー・セッションズ、バーンスタイン、チャールズ・ローゼン、ジョン・ケージ、ルチアーノ・ベリオ、ダニエル・バレンボイムといった人たちがそうだ。人選の基準はわからないが、この音楽家の場合については、「米国で(も)有名な人」に限られているようだ。とはいえ、まあ、そうそうたるメンバーである(彼らの講義録(あるいは、それに基づく著作)はすべてではないが出版されており、ストラヴィンスキー、ヒンデミット、コープランド、バーンスタインのものについては邦訳がある。)。
 実は上のリストには直近の人物の名を含めていない。2013-2014年度の講義担当者はそれまでの人たちとは些か畑が異なっており、まことに興味深い人選なので別にあげる次第。その人物とはジャズ・ピアニストのハービー・ハンコック(1940-)である。もちろん、この偉大なミュージシャンが選ばれたのは当然のことだと思う。それどころかむしろ「遅すぎた」と言うべきかもしれない。ジャズが米国のみならず世界の音楽文化の中で成し遂げてきたことを考えれば、もっと早くにジャズ(や、その他の音楽)関係の人が呼ばれてしかるべきだったろう。さて、次にここに呼ばれるのは誰だろう?
(今日、この話題を取り上げたのは、その前にたまたまハービーのアルバム『テイキン・オフ』を聴いていて、ふと頭に浮かんだからである)