2020年5月5日火曜日

(Cheap)2 Imitation

 ジョン・ケージにはエリック・サティの《ソクラテス》に基づく《チープ・イミテーション》という作品がある。曲名通り、原曲のシンプルでありながらも豊かな響きに比べて何とも「チープ」な作品だが、不思議な味わいのある佳曲だ:https://www.youtube.com/watch?v=D6ukoi7m2wM
  これを元に《(Cheap2  Imitation》をつくったら面白いかもしれない(単純な曲なので耳コピーするのも難しくなかろう。ちなみに楽譜はPeters社から出ており、ケージ作品としては比較的安価で入手可能)。サティともケージとも異なるかたちを取りながらも、しかし、どこかで元ネタが垣間見られる部分を残しているような作品ができれば素晴らしい。ケージの思想の信奉者ならば、彼の言葉の解釈や音楽の演奏にかまけて「実践」を疎かにしてはなるまい。

 そのケージのある時期以降の音楽には偶然性が何らかのかたちで介在しており、音(の状態)を決めるのにケージの意志が反映されていないもの(や場面)が少なからずある。にもかかわらず、そうした音楽でもやはり「ケージの音楽」だということがなんとなくわかる ところが面白い。