2024年12月16日月曜日

AIによる作曲はどうなるか?

  現在、AIがさまざまな領域で用いられているが、その波は作曲にも及んでいる。が、うかつにも私はそのことが全く眼中に入っていなかった。今日、森本恭正さんからいただいたメイルでAIによる作曲のことに触れられており、ようやく気づいた次第(全く恥ずかしい)

ともあれ、インターネットで検索してみると、確かに関連する記事がいくらでも出てくる。そして、そうやってつくられたものをいくつか聴いてみると、いかにももっともらしい曲になっていたから驚いた。

おそらく、ちょっとした用途での「使い捨て」レヴェルの曲ならば現在のAIでもつくれるだろうし、そうした音楽で商売をしている作曲家にとっては死活問題であろう。が、もっと高水準の音楽創作までAIがこなせるようになるだろうか? これは注視すべき問題である。そうかんたんにはものにはならないと予想されるが、さりとて全く不可能だと断言もできない。さて、どうなることやら(なお、ある種の(「すべての」ではない!)「現代音楽」作品ならば、今のAIでも十分もっともらしいものがつくれるような気がする)。

作曲家がAIに対抗するには、生身の人間でないとできないことをやるしかあるまい。そして、その1つは、おそらく、「作曲家の自作自演」であろう。20世紀における芸術音楽の「作曲」と「演奏」の分離は双方に悪しき影響をもたらしてきたが、その回復はこのAI問題においても大きな意味を持ちうるのではないだろうか。