2024年12月6日金曜日

三宅榛名の「元気が出る」文章

  随分久しぶりに三宅榛名(1942-)の『地球は音楽のざわめき』(青土社、1980年)を読む。少年時代に市立図書館で同書を見つけ、手にとってみたが面白かった。とはいえ、当時の私は重度の「現代音楽病」患者だったので、そうした音楽に批判的だった著者の物言いが腑に落ちていたわけではない。しかしながら、その後、時を経て病が癒えたのちに再読してみると、「ああ、なるほど。確かに御説ごもっとも!」と素直に納得できた。その他の点でも同書で著者が述べていることはいろいろと示唆に富む。それゆえ、時折同書を読み返すのだが、その都度、この著者の「元気が出る」文章から何かしら力をもらっている。

三宅の音楽作品も「元気が出る」ものであり、少年時代にLP盤で愛聴していた。そのうち1枚はCD化されていないので、それっきりである。できれば再び聴いてみたいものだ。

You Tubeを検索してみると、三宅の作品でもっとも多くあげられているのは〈赤とんぼ変奏曲〉だった。元々子ども向けに書かれたものなので(ただし、大人が弾いても全く問題ない)、少年少女のあれこれの演奏を聴くことができる(たとえば、次ものなど:https://www.youtube.com/watch?v=f86BXps4xJA

この曲が収められた曲集(『日本のうた変奏曲集 「鉄道唱歌」から「赤とんぼ」まで こどものためのピアノ曲集』、カワイ出版、1984年)の中で私がもっとも好むのは〈鉄道唱歌変奏曲〉だ(https://www.youtube.com/watch?v=WpJenR3dkcU)。やはり元気が出る音楽である(ただし、この音源の演奏は「きっちり」しすぎのような気もする。それは上の〈赤とんぼ変奏曲〉の演奏についても言えることだ)。