20世紀初めに起こった「音楽のオブジェ化」は「音楽のサウンド化」と言い換えることもできよう。それまで音楽の根本にあるのは「歌」であり、聴き手も共に(実際に、あるいは心の中で)歌うことができるものであった。それが「サウンド」となると、共に歌うものではなく、そこにあるものを見つめる(聴く)しかないものになってしまった(ただし、そうした「サウンド」としての音楽の中にも、繰り返し聴くことで「歌」に転化されるものもあり、今日レパートリーとして生き残っているのはそのような作品であろう)。
そういえば、今日はかつて日本があの無謀な戦争にに突入した日である。「当時の状況からして開戦もやむをえなかった」という見方があるのは知っているが、あの戦い方から判断する限り、やはり「無謀だった」だとしか言いようがあるまい。そして、その「ツケ」は現在でも残っている。