いや、まだこんな「ピアノ講師」がいるなんて……:https://news.yahoo.co.jp/articles/5d163082efa96c73f9f865a95135bc66cfb9b8ce。
今や衰退の一途を辿るクラシック音楽業界なのに、自分で自分の首を絞めるようなことをしているということは、その自覚がないのであろう。この手の人種は絶滅寸前だと思っていたのだが、「その年齢はまだ40代には届かないといったところ」の比較的若い人がこうなのだとすれば、まだまだ他にもいるのだろうなあ。
そこで気になるのは、そうした教師個人の資質もさることながら、むしろ、そうした人を生み出す「土壌」の方である。ほぼ間違いなく、件の「ピアノ講師」は自分の師からも同じように扱われていたはずだ(「いじめ」や「児童虐待」の被害者がのちに加害者になってしまうことがあるのと同様に)。「無から有は生まれない」のである。そして、土壌改良が成されない限り、同じことは繰り返されるだろう。
なお、付言しておけば。こうした業界の体質改善が全くなされていないわけではない。たとえば、受験生へのレッスンを教員に禁じている大学もあるのだ(私が尊敬する中野慶理先生はそのルールを厳格に守っておられた)。が、先に挙げた記事のようなものが書かれるということは、まだまだ「こっそり」いろいろなことをやっている人もいるということなのだろうか。だとすれば、残念なことだ。