先週、『チェルニー40番』を話題にしたが、その後、『30番』も見直してみた。すると、やはり面白い。それはたんなる練習曲集ではなく、そこには「音楽」があるからだ。
そこで、『30番』に遡って練習してみようと思い、国内で出版されているあれこれの版を見比べてみる。その結果、音楽之友社の新版(https://www.ongakunotomo.co.jp/catalog/detail.php?id=410430)が解説の面で優れていたので、これを用いることにした。
今、この曲集の楽譜を改めて見直してみると、少年時代に見えた「風景」とはおよそ異なるものが眼前にある。「いったい、当時の自分は何を見ていたのだろうか?」と恥ずかしくなるが、だからこそ、現在、遅ればせながらこの曲集の音楽と向き合い、(当時には絶対できなかったことだが)楽しんでいる。
もっとも、『30番』では出てくる調性が限られているし、和声も極めてシンプルなので、あれこれ「いじって」みたい衝動に駆られる。まあ、それも1つの楽しみ方であろうか。