自分で望んだわけでもないのにこの世のある時と場所に生を享けるというのは、まあ、不条理といえば不条理である。が、そんなことを言っていても仕方がない。どんな人でもいつかは「平等に」死ぬとなると、「今生きている時間」を自分なりに充実させるしかない。もちろん、いろいろな制約はある。が、それはそれとして(ただし、明らかに理不尽な社会的制約は容認したくはないし、不正にも目をつぶりたくはないので、あくまでも自分で可能な範囲内ではあるが、そうしたことにも対応しつつ)とにかく「楽しく生きる」しかあるまい――少なくとも私自身はあるときからそう考えるようになった(師にして友たる金澤攝さんの言葉にも後押しされて)。
もちろん、自分だけが楽しめればよいわけではない。「音楽」によって自分が楽しむだけではなく、言葉によってその楽しみへと人を誘ったり、いろいろな楽しみ方を提案したりもしたいと思っている。拙い著作やこのブログに書き連ねている駄文はそうした意欲の表れである。広い世界のことを思えばその「有効範囲」が恐ろしく狭いことは重々承知しているが、たとえささやかではあっても自分にできることを「楽しく」続けたい。
というわけで、このブログでは基本的には音楽を中心にどうということのない話題を取り上げることにしており、時事問題にはよほどのことがない限り触れない。もちろん、そうしたニューズや記事を見て自分なりにいろいろ考えることはある。が、それらの事柄について大して情報も見識もないのに個人の感想や思いつきを書いてもあまり意味がないと私個人は思っている(が、これはあくまでも私個人の考えであって、そうしたことを書きたい人や書いている人のことをどうこう言うつもりはない)。ただ、繰り返すが、「よほどのこと」があれば話は別だ。