2020年7月29日水曜日

音楽科教育の「邦楽尊重」の影響やいかに?

 日本の学校の音楽科教育ではある時期以降、この国の伝統音楽の教育にもそれなりの力を割くようになっている(私が教育を受けた頃はそうではなかった)。では、その成果なり影響なりは出ているのだろうか? 音楽教育界では何かしらこの点についての調査はなされているのだろうが、まあ、そう短期間では本当の影響はわかるまい。が、いずれ、そうした影響が何らかの目に見えるかたちで出てくるのか、それとも出てこないのか――私はそれにかなり興味を抱いている。


 以前、ここで武満の《弧》のスコアの段数について「本人が『100段』云々と語っているが、これは『白髪三千丈』の類の物言いである」と述べたが、この点について若干の訂正を。昨日、大学の図書館から《弧》第1部のスコアを借りてきたのだが、その第2曲〈孤独〉には80段(!)を要する箇所があった。いやはや……。「80段ならば、100段と言っても誇張にはあたらない」ととるか、「いや、やはり誇張だ」ととるかは、その人次第ということで。