2021年9月24日金曜日

マイルズ・デイヴィスの没後30年

  今日、「マイルズ・デイヴィスが亡くなって今年で何年になるかなあ」とふと気になって調べてみたら、ちょうど30年だった。しかも、命日は9月28日だから、まさにもうじきではないか。

 私がマイルズを聴き始めたのは今世紀になってからのことだが、 聴けば聴くほどにその音楽、プレイに心惹かれてしまう。彼の寡黙だがテンションの高い音遣いに、全く音楽の中身は違うものの、私はなぜかヴェーバーンの音楽にどこか相通じる何かを感じてしまう(繰り返すが、両者の音楽は全くの別物である。にもかかわらず……)。

 マイルズはブゥレーズやシュトックハウゼンと同世代人だが、私は断然マイルズの音楽の方を愛する。 


 ちなみに、私は過去のある時期までの「現代音楽」作品は好んで聴くが、今世紀に入ってからのものについてはそれほどでもない。たとえば1960年代には「現代音楽」は時代の表現として良くも悪くもそれなりに意義を持っており、そこには「力」があった。それゆえ、当時の作品を現在聴いてもそれなりに楽しめるわけだが、21世紀の「現代音楽」作品に私はほとんどそうした「力」を感じない。それゆえ、あまり積極的に聴く気にはなれないのだ。

 今の「現代音楽」業界には私はもはやほとんど期待していない。……が、ほんのわずかの期待がないわけでもない。それは、そうした「業界」の諸々の慣習を中から壊すか、さもなくばきっぱり捨て去って外へと打って出るかして、この「現代」にふさわしい何かをつくり出してくれる若者が登場すること――このことへの期待である。そして、この期待ゆえに、(たまにではあるが)やはり新作に耳を傾けるわけだ。