2021年1月14日木曜日

まさに「ドラマ」

 以前たまたま本屋で手にとってみて面白そうだった本をご近所図書館で借りて読んでみた。それは黒田龍之介『ロシア語だけの青春――ミールに通った日々』(現代書館、2018年)だ(http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-5828-0.htm)。そこでは著者が「ミール・ロシア語研究所」という今はもうないロシア語塾で学んだ日々のことを綴っているのだが、まことに面白かった。語学の勉強法を知るという意味でもとてもためになった(これは英語の勉強に悩む中高生が読むとよいと思う)。

 さて、その「ミール」を主宰していたのが東一夫なる人物。すると、「いったいどういう人だったのだろう?」と興味がわくのが人情である。そこでインターネットで調べてみたところ、驚くべきことがわかった。何と、この東氏(何と、これも偽名だという!)は旧日本軍を脱走して入ソし、彼の地で「生きたロシア語」を身につけていだのだ(詳しくは次を参照(うまくリンクしないので、このアドレスで検索していただきたい:file:///C:/Users/fuicharo/AppData/Local/Temp/AjiaTaiheiyouTokyu_25_Shimada.pdf)。

いや、まさに「ドラマ」である(その真相を明らかにされることを当人は望んではいなかったろうが……)。「人生いろいろ」である。