2020年4月21日火曜日

真ショパン・コンクール?

 ショパン・コンクールをもしショパン本人が聴いたらどう思うだろう? 大ホールで自作ばかり立て続けに繰り返し弾かれる状況に、たぶん、本人はいたたまれなくなるのではないだろうか。
もし、本当にショパンの音楽と精神を重んじるのならば、会場は小さめのホール、演目もショパン作品だけではなく、彼が愛したバッハ、古典派、ポスト古典派の作品、それにオペラ・アリアの伴奏や即興演奏なども含めた小演奏会形式すべきだろう。そして、その上で参加するピアニスト一人ひとりに想像力を働かせて音楽家ショパンを創造的に再現することを求めるようにしたら面白かろう。他の国ならともかく、ショパンを「国宝」とするポーランドならば、これくらい贅沢なことはできるように思われるが、どうだろうか。
従来のような形式のコンクールが有効な時代があったのは確かで、その歴史を否定するつもりはない。が、周りの状況はどんどん変わっているのに昔と同じことを死守するようであれば、コンクールはもちろん、そこで奏でられる音楽も次第に衰退していくしかあるまい。